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ごかんのえき、はじまります

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Gokan Permaculture Forest Nursery School has launched a sister facility, "Gokan Station" in the middle of the city of Zushi. It is a venue for brand new social experiment, and nobody knows if it works or not...

We are hoping that the place is to be accepted as a new "commons" by all children and grown-ups of the town, and it's operation to be basically run by gift-based economy.

Please contact below address if you are interested in supporting Incredible Edible movement and a shift from "my child" to "our children" in Zushi ;-)





都内まで電車で1時間でありながら、森と海に恵まれた人口5万8千人の町、逗子。森と海をつなぐ田越川の流域に自然と広がった小さな町だから、面白いことをしている人が目立つし、つながりやすい。

信頼&尊敬する仲間のおひとり、全田和也さんは、この町で、パーマカルチャーの菜園がある保育園を運営しています。「園の畑で子どもたちが収穫した野菜のたねをきっかけに、地元のすべてのお家に家庭菜園ができたら」という思いに、ものすごく感動し、熱烈応援中です。

そんな全田さん、この春、新たな挑戦として、逗子いちばんの繁華街(笑)池田通り沿いに、「ごかんのえき」を開設しました。大人も子どももみんなで集う場所、新しい時代の児童館のような場所をつくりたい、と。まだまだ発展途上の場だけれど、だからこそみんなで作れる余地が残っていて、とても面白いです。

私も、夏以降にここで、子どもの居場所づくりに挑戦してみたいと思っています。他にも仲間になれそうな方、ぜひぜひ!全田さんに連絡してみてください。


以下、ごかんのもり代表の全田和也さんの投稿より、シェア!





(この投稿をシェアしていただけたら幸いです)

保育園ごかんのいえ・ごかんのもりを運営するNPO法人ごかんたいそうは、あたらしいチャレンジとして、社会実験「ごかんのたねプロジェクト」をはじめることにしました。

披露山の森の中にある保育園「ごかんのもり」のパーマカルチャー菜園で収穫された野菜のたねがきっかけに、地元のすべてのお家に家庭菜園ができたら。

自然・アート・ひとのつながりによって、ひとり一人の個性や自尊心、心の居場所が広がるような。そんなパブリックスペースを、「しみん」の手づくりでつくりだせたら。

『ごかんのたね』プロジェクトは、こんな願いを叶えたくてはじめる社会実験です。

このプロジェクトは、利用者だけがコストを負担するビジネス的な形でなく、かつ、行政が運営する公共事業でもない、市民が手作りでパブリックスペースをつくりあげ・運営していくという新たなしくみを、試行錯誤しながら作り上げていく社会実験でもあります。

プロジェクトに共感してくださる「しみん」の方々の支え=『ギフト』によって、経済環境、ご家族の事情によらずに、誰もが気軽に参加・利用できるカタチでパブリックスペースの運営が成り立つしくみづくりを目標にしています。

このプロジェクトは、今はまだ、小さな小さな種だけがある、といった状況ですが、すでに、パブリックスペース「ごかんのえき」の場所を、縁あって逗子駅前商店街の空き店舗だったスペースにてつくりはじめていて、最低限の空間作りを仲間とDIYでつくりあげたところです。

そして、ごかんのもりで収穫した野菜の種つきのフリーペーパー「ごかんのたね」を新たに発刊し、vol.0を今月内にまちの各所でお配りしていく準備を進めています。この、種つきフリーペーパーは今後、定期的に発行してまちじゅうの皆さんに届けられたらなと考えています。

ボランタリーな今回の取り組みを、資金力に乏しい小さなNPOが取り組むことは、とてもリスクの高い、覚悟の求められるチャレンジですが、僕たちは、しみんの皆さんの中から、この取り組みに共感してくださる方が広がり、その方々からの様々な形のギフトによって、いつか本当にパブリックスペースの運営が支えられ、成り立つという奇跡が訪れることを信じています。

ぜひ、「教科書にもニュースにものらないとても小さなアクションだけど、でも、世界で一番、平和的で愛にあふれた、くらしの革命」の種まきを一緒にたのしみませんか。

よかったら、以下のごかんたいそうのホームページ内のごかんのたね関連ページをご覧いただきつつ、可能な範囲でシェアをしていただけたらたすかります。

そして、なんらかの形でこの取り組みに関わりたい/ギフトをしてもいいよ、という方がいらっしゃいましたら、ぜひ、僕たちに気軽にご連絡くださいね。

http://gokantaiso.org/?page_id=723
e-mail: 5kantaiso@gmail.com

*そして、ごかんのたねではじまる活動・プログラムについては、明日以降、順次、告知をさせていただきますのでお楽しみに!


エディブル教育の勉強で、バークレーに行きます

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Photo by Edible Schoolyard Project


<It's time for Edible Education>

I will join Edible Schoolyard Academy in 2 weeks as a scholarship student sent from Edible Schoolyard Japan. So exciting to be a part of Delicious Revolution of the world!!  

https://edibleschoolyard.org/node/709


来週末から、米国カリフォルニア・バークレーで開催される「エディブルスクールヤード・アカデミー」にて、研修を受けてきます。

The Edible Schoolyardは今から20年前、荒れた中学校を立て直そうと、地域の有名レストラン「シェパニーズ」オーナーであり、全米オーガニックの母と呼ばれるアリス・ウォーターズが Martin Luther King Jr Highschoolの校庭に畑を作ったのがはじまりです。「野菜からの調理をする」「皆で食卓を囲む」経験がない家庭が少なくない中、栽培から食卓までのつながりを命の学びと位置づけた畑での授業、ガーデンティーチャーやキッチンティーチャーの存在は、子どもたちと地域に大きな変化を起こしました。

いま、全米はもちろん、世界中にその流れが広がり、米国大統領夫人ミシェル・オバマさんがアリスの「美味しい革命」を応援して、ホワイトハウスに菜園を作ったのは有名な話。この研修プログラムも今年で8回目。今では、全米および海外からも400人を超える参加希望者が応募し、うち90人だけが受けることのできる実践的な学びの場です。

子ども3人ともを旦那さまと母に託しての出張は初めてで、いろんな意味でドキドキしています・・・ 

が、日本にもエディブル旋風が起ったら素敵なので、誠心誠意、頑張って吸収してきます。こんなドタバタ母ちゃんを信頼し、素晴らしい機会をくださったエディブルスクールヤードジャパン代表の堀口博子さん、西村和代さん、チーフアンバサダーの鈴木栄里ちゃん。本当にありがとうございます!


エディブル教育ってなにか。
なぜ今、栽培から食卓までの全体をいのちのつながりとしてとらえなおす学びの場が大切なのか。

エディブルスクールヤードの実践者たちの声、感動的です。
エディブルスクールジャードジャパンのサイトにて、ぜひ映像でご覧ください。
https://www.facebook.com/EdibleSchoolyardJapan/videos/1791882657700049/

子ども占い師、すごすぎでした

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Leaving Japan (and my children, all three of them, for the first time!!) in two days to join Edible Schoolyard Academy in Berkeley... Excited, but already missing my children. They are simply wonderful!!




忘れないうちに子どもたちのセリフをメモしたものをいま、書き起こしています。あー、面白かった。

夕飯後、洗濯物をたたんでいたら、突然、占い師が部屋に入ってきました。


「わたしは・・・うらないしです。
なにかうらなってほしいことはありますか?」(うやうやしく)


「そうですね・・・。
あの、週末から久しぶりの海外で、アメリカに出張に行くんですけど、
ちゃんと仕事を頑張れるかどうか、聞きたいです。お願いします」


「わかりました。ちょっと横になってください」

(背中を踏むマッサージをしながら)


「あなたは・・・

(ゆっくり、言葉を選びながら)

時間をきちんとまもったり、
場所がどこかってことに迷わずに行きさえすれば、
きっとうまくやれるでしょう。


「なるほど。ズボラじゃだめなんですね」


「はい。つまり・・・
すべてはあなたしだいなのです!」


「笑! "すべては、私次第” なんですね!」


「・・・まんぞくですか?」


「笑!!はい、大満足です」


「では、しつれい」

(布をさっとひるがえして、子ども部屋に戻る)

こ、これは面白い・・・!
と思って、次女の杏も呼んでみました。





「楽器の妖精さーん!あのー、妖精さんも占ってくれるんですか?」

(杏、超・嬉しそうに入ってくる)


「はい、わたしですが」

(ごっこ遊びでは、杏は「楽器の妖精」ということになっていて、腰に、剣のような感じで、横笛をさしていました。それで「楽器の妖精なのか〜」と心中大爆笑ですが、こういうとき、格好を見て笑ったらおしまいです)


「あの、占い師の方に、ママが週末から行く出張でちゃんとお仕事を頑張れるか占ってもらったんですけど、妖精さんもそういうこと、できますか?」


「もちろんです」


「じゃあ、お願いします。どんなことに気をつけていってきたらいいでしょうか」


「あなたは・・・

(桃の真似をして、背中を踏むマッサージをしながら)

まず、ふざけすぎないこと。
あと、しゃべりすぎないこと。
それから・・・
かしこくなりすぎないこと、ですね」


「か、かしこくなりすぎない?」


「はい、かしこくなりすぎると、しつもんとかできなくなります。
だいじなことをたくさんわかるために、しつもんが大事です」


「ほえー。わかりました。・・・それから?」


「こんなのかんたんかんたーん、なんておもっていばらないことです。
いばっても、何も、いいことがおきません」


「へえー。
ものすごくためになりました。ありがとうございます」
(杏と入れ替わりで、また桃が入ってくる)


「あ、どうも、占い師さん。
さっき、占い師さんに言われたことと、
いま妖精さんが教えてくれたことがスゴすぎて、
ちょっとビックリしてるんですけど。
ついでにもうひとつだけ、アドバイスをいただけませんか?」


「はい。わかりました。
あなたは・・・
目標がどこか、なにか、わからなくてもいいんです」


「い、いいんですか?」


「とにかく前にすすむのです」


「あの、なにを目印にすすんだらいいのですか?」


「じぶんにはできると信じて、
でも、じぶんだけにしかできない、なんておもわないこと」


「は?」


「つまり・・・
あなたはみんなとおなじなんです。
みんなとおなじようにがんばって、みんなとまけないようにがんばって。
そうすれば、すごいところにいけるでしょう」


「へえー、わかりました」


「それから・・・
あなたは、英語ができますね」


「はあ」


「英語をいかして、知らない国のひととお友達になるのです!
それがあなたの道をひらいてくれるでしょう!!!」



「じぶんにはできると信じて、
でも、じぶんだけにしかできない、なんておもわないこと」

いやー、占い師さん、名言すぎて、ビックリでした。
妖精さんもすごかったなー。
あのひと、本当に1年生なのかなー。

あー、面白かった。
って、出張前日、まだ仕事山盛り。出発の準備もなにもしてない。こんなことしてる暇なかったはずだけど、そういうときこそ現実逃避で・・・。

子どもって素晴らしい♡

一般社団法人「そっか」、はじめます!

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これは、私としては、ものすごく大事な投稿です。

久しぶりに、暑苦しいくらいに想いを書き連ねました。読んでいただけたら嬉しいです。


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一般社団法人「そっか」、はじめます!!

世の中、「意味のあること」が多すぎます。

サーフィンのために波がいい土地に暮らしたいとか、世界一周してみたいとか、若い人たちが楽しくロマンを語れば「そんなことして意味あるの?」と返す大人がいます。

素晴らしい先生に教えてもらう素晴らしいワークショップに次々に参加し、自分で自分の時間のつかいかたを考える余地もないほどに習いごと地獄に陥っている子どもがいます。

今の時代を生きる大人で思いつける程度の「意味があること」しかさせてもらえなかったら、未来を担う若い人や子どもたちは、それはそれは窮屈だろうと思います。

幼いライト兄弟が飛行機の試作に失敗を重ねていたとき、
若きゴッホが理解されにくい絵を描き続けていたとき、
ファーブルが虫に夢中で道ばたから離れることができなかったとき、
シェイクスピアが学校の授業そっちのけでお話を書いていたとき、

周りの大人はやっぱり言っていたかもしれません。
「そんなことして意味あるの?」って。

一方、「意味はないけど、楽しい!」を夢中になって重ねる中にこそ人の発見や成長がある、と応援した大人もいたかもしれません。彼らの「楽しい!」が「意味があるもの」として成熟したのは、そんな心あるサポートあってこそ、、、だったかも、しれません。


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「意味があること」のまねごとで階段を一歩一歩のぼる予定調和の世界だけでは、人生がもったいない。知らなかった世界で五感と身体をフルに使って、魂が震えるワクワクを重ねながら進む中に、喜びがあります。それをみんなで分かち合うところに、幸せがあります。生きるっていうのは、そういうことじゃないかと思うんです。

でも人は、そういう基本的なことを、すぐに忘れてしまう生き物のようです。

どういうときに、忘れちゃうのかな。
考えて考えて考えた末の、私なりの結論は、

暮らしを足下の自然から切り離し、
自分たちで衣食住を作ることをやめ、
面倒なことはお金に頼ってアウトソースすることができる、
そんな便利な社会システムが「意味があること」信仰を少しずつ厚みのあるものにしてきたのではないか、
ということでした。

だったら。

足下の自然を舞台に、子どもも大人もみんな楽しんでみたらどうだろう。
できるところから、自分たちで衣食住をつくる知恵を取り戻せないかな。
お金で解決する前に、「あるものでやってみる」を楽しんじゃおう。

そして、
(大自然の中でのアウトドア体験を、都市生活の癒しとしてイベント的に取り入れるのもいいけれど)、
足下の小さな自然を「日常的に」楽しむ機会をどんどん作っちゃおう。

と、思うようになりました。


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放課後は、みんなで海に遊びに行こうよ。
この町の川の水源がどこにあるのか、探検、探検。
学校の空きスペースは、畑にしちゃえばいいんじゃない?
帰り道に歩く道ばたにも、食べられる野草がこんなにたくさん!

そんな「意味はないけど、楽しい!」を、足下の自然を舞台に、もっともっと町のみんなで重ねていったとき、これからの町の風景がどんな風に変わっていくか、見てみたくなりました。

以下、そんな想いをぎゅっと代弁した、「そっか」共同代表の Satoru Yahata の言葉を掲載します。


20年間、古代の舟と変わらぬ人力を動力としたカヤックを手足に、自然を学び、世界のさまざまな地域を訪れてきました。現代から石器時代のような暮らしを見聞して思うのは、人が「幸せだ、豊かだ」と感じるのは「楽しい共有の場と時間」を持つときだということです。そこには、ずっと昔から大切にしてきた足下の自然との共存、「分かち合い」を基盤とした暮らしがありました。

足下の自然から暮らしが切り離され、人間本来の分かち合いの場だった「地域」が弱くなっている都市生活。町の将来を「消費」と「個」の強さに依存するのではなく、暮らしの中に「共有の機会」をつくることで、利便性と引き換えに失いかけたものを、楽しみながら揺り戻すことができないかと考えています。

足下の「食べる」「集う」「遊ぶ」をもう一度根付かせ、楽しく向き合っていくために、一般社団法人「そっか」をはじめます。
皆様ぜひ、この活動にご参加ください。
            
一般社団法人「そっか」共同代表 八幡暁


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手前が八幡暁、屋外永井巧。



うんうん。

とはいえ、衣食住を自分の手に取り戻すって、都市では結構ハードル高いです。だから、みんなで集まる場を作りたい。

ひとりじゃできないけど、
みんなでDIYして、循環する庭をつくってみるのは楽しい。

ひとりじゃやらないけど、
みんなで集まって、昔あった井戸を掘って復活させたら、災害時にも生きる。

ひとりじゃ面倒だけど、
みんなで集まって、お醤油や味噌を仕込むのが季節の風物詩になったら嬉しい。

「そっか!そうすればよかったんだ」
「そっか!自分でやればできるのか」

足下(音読みすると「そっか」、笑)の自然を楽しみながら「見たい町の変化に、自分自身がなる」ということを、自分ひとりでじゃなく、みんなでやりたい。「私の子ども」とだけじゃなく、「私たちの子どもたち」という発想で、みんなで子どもの遊ぶ環境をつくりたい。

もともと自然遊びが大好きでそれを貫いてきた八幡暁、永井巧、内野加奈子と私の4人で、町中の(ゆくゆくは世界中の!)すべての子どもと大人に招待状を出すようなつもりで、一般社団法人「そっか」の活動をはじめました。


・・・というわけで。

その最初の企画として来週から、「逗子・森里川海まつり」を実施します!


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「原っぱ大学」や「ごかんのもり」、パーマカルチャー母ちゃん、黒門かるちゃークラブ、渚小屋など、逗子の森里川海を遊ぶのが大好きな仲間たちに協力してもらい、この町の自然を遊び尽くすイベントが盛りだくさんな1週間。

難しいことは置いといて、まずは「意味はないけど、楽しーっ!!」に参加しにきてください。そして、楽しかったら次回はぜひ、町の「そっか!」を一緒に企画する側にまわってください。

フライヤーは、来週から町中の掲示板に、少しずつみんなで掲載します。

各イベントの詳細説明は、明日以降順次、一般社団法人 「そっか」の facebookページにてお知らせします。イベントのご予約も、お手伝いのお申し出も、この投稿や「そっか」ページへの「いいね」も「シェア」も、すべて大歓迎です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


エディブルスクールヤードアカデミー2016、はじまりました!

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Edible Schoolyard Academy 2016 began with a warm welcome by all ESY staff and speech by its founder Alice Waters...

"We are here to change the world. What we are doing is incredibly radical - We are bringing our children back to senses. We are letting our children to fall in love with the nature. We are inviting our children to a new relationship with food"


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エディブルスクールヤードアカデミー2016、はじまりました!

全米からに加え、イタリア、メキシコ、そして日本からの私たちが参加し、背景さまざまな受講生が100人、マーティンルーサーキングJrハイスクールに集まりました。

モンテッソーリスクールで菜園をしていて、子どもの写真集を兼ねたレシピブックを毎年作成している先生、イタリアにあるインターナショナルスクールで、国際バカロレアシステムの学びの中に、なんとかガーデンクラスとキッチンクラスを導入できないかを模索する先生、ハワイのコクア財団(Jack Johnson主催)で教育ディレクターをしている女性、画期的なコンポストシステムを作り、学校でのゼロ・ウェイスト(ゴミゼロ!)を実現した先生…。

実践者同士の学びも、今後とても楽しみです。

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到着早々に振る舞っていただいた菜園で収穫した野菜で作ったおやつは、どれもシンプルなのに贅沢な美味しさ。ため息がでるほど素敵な学校菜園とキッチンについては、明日以降少しずつご紹介します。

今日は、オープニングに駆けつけた創設者アリス・ウォータースのスピーチから、ほんの一部だけ引用します。

「今日、私たちはここから、世界を変えようとしています。この国ではいま、大統領選挙が話題ですが、誰も本当に大事な話には触れません。私にとって本当に大事なもの、それは、食。農。子ども。人々の暮らし。

 そんな中、エディブル教育に携わるというのは、ものすごくラディカルな行為です。子どもたちが五感を取り戻すこと。子どもたちが自然と恋に落ちること。子どもたちを、食との新しい関係に招待すること。それはどれもとても日常的ですが、ものすごく大切な世界への働きかけだと思っています」

アリスの素晴らしいスピーチは、近日中に動画を翻訳して、このページにて公開したいと思っています。

もっと楽しく、風通しの良い職場をつくるために

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The end of the 2nd day at Edible Schoolyard Academy. 90 participants are divided up into 3 cohorts and learn Garden, Kitchen, and Administration in turns. We learned about The Edible Schoolyard Workplace Culture and its professionalism, as well as their ways of evaluation. Inspirational every day...!!



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「スタッフみんなが仲良しで、意義ある活動をして、ちゃんと成果を出して・・・エディブルスクールヤード(以下ESY)の秘密はどこにあるの?とよく聞かれます。今朝は、その種明かしのような話からはじめましょう」

とディレクターのカイル。

ESYでは、働く上で大切にしたい文化と、スタッフに求められるプロフェッショナリズムについて明文化しています。この内容が、すごいです。

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「すべての決断をするとき、ESYのミッションを思い出すこと」
「プロフェッショナリズムを大切に」
「いつも "FUN / 楽しむ" を真ん中に」
「私たちは、みんな生徒(失敗は最良の学び)」
「お互いへの意見を交換することを恐れない」
「敬意と感謝を忘れずに」
「文化能力を高める努力」
「いつも新しい教えかたに挑戦せよ」
「挑戦を受け入れる心を」
「互いのプロとしての成長を応援しあうこと」
「恥や恐れを感じたときも、正直であれ」
「自分の行動が生徒や同僚にどんな影響を持つか、意識すること」


・・・などなどをタイトルとして、哲学が細かく明記されています。しかも、そのすべてをこうして世界中とシェアしてくれるのだから、素敵です。(後日、全文翻訳します!)


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私個人的には、「社員をサーフィンに行かせよう」(パタゴニア創設者、イヴォン・シュイナード作)を読んだとき以来の衝撃でした。ハッピーで建設的で誠実な組織文化を、こんな風に体系的に生み出すことができるのですね。

「なにを大事に仕事をすべきかくらい、大体わかるでしょ」では、想いは伝わりません。いい仕事もできません。大事な哲学をきちんと明文化し、それぞれの責任範囲を明確化し、それをつねにオープンに共有しておくことで、50人の登録ボランティアを含むすべてのスタッフと、行動指針を共有することができるようになり、それがいずれ、場の文化となります。

自分がどう動くべきか、空気を読んで、察しあって… というのは、これだけ背景も人種も多様な人があつまるカリフォルニアではありえない話。「人種と背景が多様だからこそ、たくさんのアイディアが集まって面白い。でもだからこそ、大事なことほど丁寧に定義付け、確認する作業を怠らないようにしないとね」とカイル。

この指針があることで、批判的な意見も受け入れられやすくなるそうです。

「たとえば、ガーデンで問題を起こした子どもを過度に叱ったスタッフがいたとします。”なぜあんな言いかたをしたのか” と問うのでは、ただ責めているだけでなんの解決にもならない。だから、こう言うの。

 "私は、あなたはあの場でどなるべきではなかったと思う。なにがあったの?
 指針の8番を見て。私たちは、人種や権力やそれまでの家庭環境、教育環境の違いを加味して子どもたちに接し、学校菜園という場を使ってすべての子どもたちの文化とアイデンティティー形成を助ける立場にある。子どもに接するプロフェッショナルとして、まず子どもの意見を傾聴しようということも、ここに書いてある。
 ・・・私にはどんなサポートができたかしら。あのとき、あなたにどんなサポートがあったら、あの場でどならずに済んだと思う?」


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皆で大事にしようと確認しあった哲学が真ん中にあるから、それにのっとってお互いの仕事を評価しあうことができる。個人的な好みや中傷ではなくそれができることが、風通しのいい組織で居続けることができる秘訣ではないか、とカイルは話してくれました。

この行動指針の他、それに基づいて行う仕事の評価の基準も、事細かに描き出されていました。「評価」って、ネガティブな体験ばかり思い浮かんでしまいがちだけれど、正当に評価されることはモチベーションにもつながり得る大事なこと。うーん、すごいなあ。

というわけで、今日は1日、運営のイロハを学びました。
学びが深すぎて氷山の一角しか報告できておらず、すみません…

アリス・ウォータースの言葉

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「You are what you eat - 何を食べるかが、その人をつくる」
食べ物が人をつくり、人が国の未来をつくる。
だから、「食」を世界中の学校の正式な科目にしたい。

・・・アリスの言葉は、シンプルです。


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60年代、健康で力強い若者をたくさん育てるため、ケネディ大統領が「体育」を学校の正式な科目にしようと決めました。全米で体育教師のトレーニングが行われ、ほんの数年のうちにたくさんの雇用と、健康な子どもたちが育ちました。

それと同じことを、いま、私たちは「食」で行う必要がある。国語・算数・理科・社会、そして「食」。全世界で、たくさんのガーデンティーチャーとキッチンティーチャーを育て、自然を愛す子どもたちを育てれば、それは必ず、より平和な未来への近道になる。

毎朝、学校の食堂とは思えない美しい施設で、シェパニーズのスタッフが腕をふるってくれる。なんてなんて、贅沢な環境〜♡ ・・・と思ったら、ニコニコ素敵な笑顔でズッキーニのグリルをサーブしてくれている女性は、なんとアリス。ひえー!

私、まったく、緊張するほうではないのですが・・・
アリスは世界でいちばん会いたかった人ベスト3に入る偉人だったから、さすがにひっくり返るかと思ったよ。ズッキーニをサーブしてもらいながら

「あなたのスピーチに感激して、共感して、涙が出ました。はじまったばかりだけど、ここにこれて本当に幸せです。素晴らしいご活動、ありがとうございます。映像を撮ったのですが、日本語に翻訳して、日本の友人たちに届けてもいいですか?」

と聞くのが精一杯で、

「一緒に写真撮りたいです」
って、言えなかったのをちょっと後悔。

ファンですっていうより、同志でありたかったんだよね。気持ち的にね。
本当はファンなんだけどね。背伸びしちゃったよね。笑

というわけで、以下、アリスからアカデミー受講生へのウェルカムスピーチ。
噛みしめて読みたい、素敵なエールでした。


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私たちはいま、大変な世界を生きています。
できることなら、私は、いまとは違う世界に暮らしたい。
そのために、(エディブルスクールヤードを通して)
子どもたちに働きかけてきました。

すべての子どもたちと時間を過ごそうと思ったら、
公立の学校で実践するのがいちばんです。
公立の学校は、どんな子どもでも通うことができる場所だから。
公立でなら、すべての子どもとつながりを紡ぐことができるから。

子どもたちを、自然と、そして自分自身との新しい関係に招待する。
それはとても美しい思想であり、なによりも大切なことです。

この国ではいま、大統領選挙が話題です。
でも、本当に大事な話には触れていないように思います。
本当に大事なもの、それは、食。農。子ども。
そして人々の暮らし。でしょ?

さまざまな問題の解決策について各論で話されることはあっても、
世界でいま起きていることの全体を皆で根本的に変えよう、
劇的に良くしよう、という空気もありません。

まるで、第二次世界大戦の前の時期に戻ってしまったみたい。
皆が、自分が何をしているかわからずにいる。

そんな中、
私たちがしようとしていることはものすごくラディカルです。

子どもたちが五感を取り戻すこと。
子どもたちが自然と恋に落ちること。
子どもたちが自信を取り戻すこと。

それはどれも、一度体験したら、
一生変わらない大切なことばかりです。
子どもたちは日々、経験することを全身で吸収できる存在だから。

文明がはじまって以来、人はずっと、
土とともに暮らし、
地域で採れるものをいただき、
季節のめぐりを祝福し、
子どもと食卓を囲み、
年長者を敬い、
先生を愛してきました。

・・・私たちが何を食べるかが、この国を作ってきたのです。

ブリア・サヴァランの言葉をいつも思い出します。
"We are what we eat - なにを食べるかが、私たちをつくる"

私たちは、食べ物でできている。
国の未来もまた、私たちがどんな風に育まれたかで決まります。
いつだってそうでした。

この国ではもう誰も、真剣に投票したいと思っていません。
候補者のひとりは、いつもマクドナルドを食べていますね。
飛行機にまで持ち込んだりして。

これは本当に、深刻な問題です。
ファーストフード文化が、私たちの学校システムにまで入り込み、
子どもたちの育つ糧になってしまったのだから。
「早い、安い、簡単」に価値を見いだす文化が
この国を覆おうとしている。

これは、健康の話だけではありません。
そうじゃないんです。

私たちが、食べ物や、食べかたと一緒に身体に取り込み、
消化してきた大切なものが、そっくりそのまま失われていく。
そういう話です。

大急ぎで食べ物を飲み込み、
食べることを大事だと思わなくなり、
もっともっとと多くを求めることが良しとされ、
安い食べ物が好まれ、
テーブルで食べる必要がなくなり、
車で食事を済ませ、
愛はiphoneで手に入ると思うようになってしまった。

そのすべてが、私たちを自然から遠ざけています。
子どもでさえ、一日中屋内で過ごし、放課後も外に出ません。

原っぱで転がらない。
海辺を歩かない。
誰が足を汚したいものですか。
新しい靴が必要になったら嫌だもの。
料理も、時間の無駄だから、やりたくない。

これが、今この国で起きていることです。

誰かに、この大変な問題を、画期的な方法で伝えてほしい。
映画などを使って、素晴らしい方法でできるのではないかしら。

未来をつくる公立学校での教育が、
いつから私たちの優先事項から外されたのでしょうか。
農家さんや先生という本当に価値ある職業を、
もう一度尊敬される、名誉あるものにしていきたいです。

実は今朝、とても悲しいことがありました。
世界中から集まった皆さんをどう歓迎したらいいのか、
迷いながらここに来ました。

でも、菜園を歩いていたら、
前向きな心を取り戻すのに時間がかからなかった。
あのオーブンから、次々にピザがでてきて、
集まってくださったみなさんが素晴らしくて。
エディブルのコミュニティー精神は、伝染性ね。

ファストフード文化では、
「誠実」にはたどりつけない。
コミュニティーを作るにもいたらない。
味のことは追求しようとしたかもしれないけれど、
それも失敗。

いいものは、すべてこちら側にあります。
だから、私はとにかく楽観的です。

・・・まとまらなくてごめんなさいね。笑

これから一週間、皆さんと一緒に、
大事なことをたくさん語り合いたいと思います。

「食」を、正式な学校の教科にしましょう。
手作りの学校給食を、すべての子どもたちに提供しましょう。

そういう大事なことを、話しましょうね。
ありがとう。

翻訳・小野寺愛、早川雅貴


教育者の仕事は「教えないこと」かもしれない

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I enjoyed meeting wonderful group of teachers at ESY academy. Thank you for teaching me not just what you should do as a teacher but also how to "be" a model grown-up for the children...

Are you being positive? Are you having fun? Do you have compassion for the others? Can you corporate?

All those wish list that you have for your children - are you being it yourself? A good start point to bring back home and always remember.

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今日は、エディブルスクールヤードのスタッフの皆さん、とくに、ガーデンやキッチンで先生をしている人々を紹介します。

Day 1 - Administration & Evaluation / 運営と評価について
Day 2 - Garden Class / ガーデンクラス
Day 3 - Fundraising & Kitchen class / 資金調達とキッチンクラス
Day 4 - Kitchen class & Action planning / キッチンクラスと計画

今回は上記の流れで進みましたが、さすが8年目の運営、細かなところまで準備が行き届いていました。「学校で勉強している」というよりは、気取らず飾らず、でも最高級に美味しい料理を出すレストランで「あたたかいサービスを受けている」、そんな気持ちにさえなりました。

数日前にご紹介した "Work Place Culture" が徹底されていて、スタッフの大人としてのありかたが、みんなとても素敵です。

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「なにを "教える” かというよりも、どう "在る" かが大事。

いま・ここを楽しめているか?
思いやりはあるか?
受け入れることができているか?
よく話を聞くことができたか?
主体的に動けていたか?
自分で考えることができているか?
クリエイティブであることができているか?
他者と協力できているか?

・・・子どもにどんな大人になってほしいかを思い描いて、自分はそんな存在であることができているかを、つねに意識しています。

子ども自身が問いを立て、自分で答えを探すことができるように、全身全霊でそのための環境と時間の流れをデザインする。そんなことを続けていたら、自分自身、毎日が学びの連続で、楽しくてやめられないよ!」


そう語るガーデンティーチャーのジェフの話を聞いていたら、不覚にも涙が。こんな学びの場に出会えた子どもたちは、なんて幸せなのでしょう。これぞ教育者ですね。これぞプロ意識ですね。

キッチンでも、ガーデンでも、子どもと直接関わるスタッフの人としての在りかたがあまりに穏やかでピースフルで、参加者の一人からこんな質問がありました。

「あなたたちがなぜこんなに、揃いも揃って穏やかで、思いやりにあふれていて、しかも楽しい人たちなのか不思議すぎます。なにか秘密があるのかな。みんなで瞑想したりしているんですか?」

それを受けて、ニックは笑います。

「笑。瞑想はしていません。
ただ、自分たちの態度を、子どもがそのまま吸収して、それがクラスの雰囲気に反映されることをよく知っている。だから、楽しいクラスにしたかったら、自分がまずは楽しむしかない。思いやりを持ってほしかったら、自ら思いやりをもって子どもに接するほかないんです。
 残り時間があとわずかなのに子どもたちの活動がゆっくりで焦っていても、まずは自分が落ち着かなくてはと思います。僕らが "急いで急いで" と彼らを急かしても、クラスの雰囲気が良くなることはまずないから。それをよーく知っている、ただそれだけのことだと思います」

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本当に、そのとおり!

言うは易し、ですが、エディブルスクールヤードのスタッフはみんな本当に本当に、驚くほどにピースフル。私は個人的に、子どもに接する先生としての授業のスキルなどよりも、人としての在りかたを教わったような気持ちでいます。

食が人をつくり、人が町をつくり、町が国をつくり、世界をつくる。きちんと作ったものを食べて、穏やかに生きること。それを子どもと一緒にやること。それは何よりの未来づくりなのかもしれないと思う、今日この頃なのでした。

Edible Schoolyard報告会を行います!

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Edible Schoolyard Academy report session + demonstration of actual garden & kitchen class in Tokyo and Zushi. All in Japanese, but the one on 27th is at Aiwa Elementary School, the very first Edible Schoolyard in Japan. Please contact me if interested in joining!!





先週、米国バークレーにて、エディブルスクールヤードアカデミーに参加し、畑から食卓へのつながりを子どもと一緒に楽しみ、学ぶための修行をして参りました。その様子は エディブル・スクールヤード・ジャパンのページにレポートをアップしてきましたが、まだまだまだまだ、氷山の一角も共有できていません!

興奮冷めやらぬまま帰国して、この素晴らしい学びをぜひ広く共有したいと、報告会の場を2つ用意しました。

1つは、今週15日(金)に、地元逗子にて。
バークレーからの報告や模擬授業はもちろんのこと、すでにこの町ではじまりつつあるエディブルなうごめき、つまり、学校に、空き地に、友達の庭に、みんなで畑を作りはじめて思いっきり楽しんでいる様子のことも、共有したいと思っています。三浦半島がもっと楽しく美味しくなるための仲間作りができたらという気持ちでいます!

三浦半島産お野菜の友産友消ランチを食べたあと、午後の第2部では、公立校のWillard中学校で子どもたち自身がガーデン&キッチン授業の費用を捻出するためにはじめた起業家プログラム "Growing Leaders" の話、空き地を占拠してみんなの畑公園に変えてしまったAlemany農園の話などなど、ベイエリア全体のムーブメントの話もさせていただきます。

●7月15日(金) 逗子・シネマアミーゴにて *30名定員
http://cinema-amigo.com/movie/000524.html


もう1つは、27日(水)に、日本初のエディブルスクールヤードを実施している多摩市立愛和小学校にて。こちらは、一緒に学びにいったガーデンティーチャーの Masaki Hayakawa くんや、Edible Schoolyard Japan共同代表の 堀口博子 さんからの報告もあり、盛りだくさんです。

●7月27日(水)多摩市立愛和小学校にて *50名定員
https://www.facebook.com/events/837890496311235/

どちらも、まだ少し席があります。

学校の先生のみならず、子どもを育てている人、食に携わる人、地域活動をしているすべての皆さんと共有したい、深い学びでした。実りある場にできるようきっちり準備しますので、ぜひぜひ遊びにきてください!


【ESYジャパンよりメッセージ】

私たちはアカデミー開催中の5日間の中で、エディブル・スクールヤードの20年の歴史がどれほど素晴らしいものか、そしてその輝かしい実績を全米へ、また世界へと届け、大きく発展させていった成果を目の当たりにした思いでした。

エディブル・スクールヤードがスタートした1995年には、それはある町で起きた小さな出来事でした。生徒と教師と地域の人たちによって、キング中学校のもと駐車場が用地となり、堆肥が運ばれ、種がまかれました。まかれた種は一年ごとに確実に生長し、わずか2年後には美しい学校菜園として生まれ変わりました。

そして、ESY創始者アリス・ウォータースさんの念願だったみんなで食べものを育て、調理し、食卓を囲む教育が国語、算数、理科、社会などの必修科目とつながる正規の授業として始まりました。

20年を経て、その伝統は画期的な教育手法として、今、大きな進化を遂げています。その進化の向こう側には、実は考え抜かれた幾つものスキルといえる学習指導方法がありました。

それをこのアカデミーでは、3つの要素「運営」「ガーデン」「キッチン」に分け指導に関しての哲学と理論と技術を惜しげもなく披露し、その要素を与えてくれました。

その画期的な教育手法とは・・・これまで日本に伝えられてこなかった、エディブル・スクールヤードの学習手法を2人の受講生が持ち帰りました。今回の報告会は、その秘訣に触れていただける貴重な機会だと思います。

また、実際の学校菜園と家庭科教室を使い、ガーデンクラス、キッチンクラスを体験していただき、学習指導方法のキーをつかんでいただけたら幸いです。


7月15日(金) 逗子・シネマアミーゴにて *30名定員
http://cinema-amigo.com/movie/000524.html

7月27日(水)多摩市立愛和小学校にて *50名定員
https://www.facebook.com/events/837890496311235/

「教えない」学びの時間 - Edible Schoolyard報告会

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Report Session of Edible Schoolyard Academy 2016 at Aiwa Elementary School was well accepted by more than 50 people. I had my first experience being a kitchen teacher which was an amazing experience… ;-)

エディブル・スクールヤード・ジャパンによる、Edible Schoolyard Academy報告会@多摩市立愛和小学校、無事に終了しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

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私たちから米国のESYアカデミーの報告をしたあとに、日本の公立学校である愛和小学校で2年間行って来たエディブル活動について、先生や保護者から報告していただけた。それが、今回本当に、本当に素晴らしかったと感じました。


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どうしても「海外の事例は素晴らしいけれど、で、日本は?」という気持ちになるところで、すでにここではじまっている先輩事例を聞くことができて、「食べるを真ん中にした命の教育は、やろと思えばどこでもできる。自分も、できるところからはじめよう!」という空気感がじわーっと広がった気がして、帰り道にワクワクが止まりませんでした。

以下、参加できなかった方のために、ほんの少しだけ報告を。


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「ESYのここがスゴい」は数あれど、私個人的にいちばん心に響いていたのが、ガーデンとキッチンで子どもと向き合う先生たちの哲学が、「教えない」であることでした。

ガーデンのヘッドティーチャーのジェフは、そのことについて聞くと、こんな風に話してくれました。

「先生がこちら側にいて正解を知っていて、それをあちら側に座っている生徒に伝える、そんな旧来型の勉強が自分の役に立たないことを、子どもはもうみんな知ってるよ。僕らはそれを卒業したんだ。
いかに、教える立場ではなく、一緒に動き、一緒に考え、一緒に発見する存在であることができるか。授業の中にどれだけ、子ども自身が選択し、判断する機会を用意することができるか。それが自分たちの勝負なんだ」


す、素敵すぎる・・・♡!そのとおりだと思います。

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すごいのは、ジェフだけがそう、というのではなくて、ESYの先生たちがみんな、子ども自身が体験的に学びを得るファシリテーションのプロフェッショナルであったこと。新しく入ってくる先生もファシリテート上手な教育者として育つように、哲学と実践の伝達が徹底的に体系化されていて、かつ、マニュアル化されているというわけではないという先進性。もう、うなるほかありませんでした。


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私個人的には今回、初めて、そんなアカデミーで学んだことをふまえてキッチン授業を行うことができたのが大収穫!1年間ESYにボランティアで関わっていた `Eri Suzuki ちゃんにアドバイスをたくさんもらいながら、たった20分という限られた枠の中で、参加者の皆さんに「きゅうりの浅漬け」を作っていただきました。

(海外で学んだことを海外流まんまにしかできないのでは芸がないから、と、浅漬けにするか塩にぎりにするかで悩みに悩んだ末、旬をとりました♩)


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なるべく「教えない」こと、効率よく作業が進むような場と流れのデザインを考えること、そして、情報として「へえ〜!」な要素を含めるのも忘れないことを意識しながら、4つのテーブルで浅漬けを作ってもらいました。その結果は・・・。

味もかたちも盛りつけもみんなそれぞれ。その多様性が楽しくて、たった20分の授業でも「教えない」効果を実感!これ、本当にすごいわー!!


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敬愛するキッチンティーチャーのエスターに教わった「野菜の声を聞き、匂いをかぎ、食感を楽しみ、深く味わう。食材にそれだけ時間をかけて関わることができたら、もうあなたと食の新しい関係がはじまっているのよ」を思い出し、今回は「いただきまーす!」をしたら、30秒間のサイレントミールを行うことにしました。

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愛和小学校の平家キュウリ



食べはじめ、ほんの30秒間だけでも完全に黙って、しっかりと「味わう」ことをすると、普段感じきれないもの、見えないものが見えてきます。これも、素敵な時間だった。たかが浅漬け、されど浅漬けなんです。

「こんなに深くきゅうりを味わったのは、初めてだった」
「日本の授業ならきっと “5mm幅にきゅうりを切る” などの細かい指示があり、みんな同じものができあがって、評価の基準は 上手か下手か ということになる。でも、”好きな大きさに切る” とレシピにあるから、それぞれの切り方で浅漬けをつくった。舌の上で、いろんなきゅうりの多様性が楽しかった」
「指示されすぎないことで、自ら周りを観察して、コミュニケーションをとりあいながら協力をすることの楽しさといったら!」
「はじまり・なか・おわり、のストーリーが最高。流れのなかで、自ら学んでいる実感があります」


などなどなど、いただいた感想、どれも新鮮で、嬉しかったです。



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私自身のファシリテート自体は、正直、自己採点70点くらい。まだまだ改善の余地アリだったのだけど、ああ。それでもこの感じ。「教える」ことが染み付いていた私にとって、「教えない」場作りは本当に新鮮で、確実にクセになる予感。今度は子どもたちとやりたい!!

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さて、今回一緒にアカデミーに参加した同志の Masaki Hayakawaくんは、ガーデン授業を担当。こちらもやはり、なるべく「教えず」して菜園を体感してもらうための授業で、「カード・ハイク」を行いました。菜園内に10枚の「畑を知るためのなぞなぞ」や「へえ〜」な情報をカードで配置し、きゅうりのツルを観察して、その機能と構造を意識したり、コンポストの意味を知ったり。

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これは実際に、現地の中学1年生が初めてガーデン授業を受けるときに行う内容です。ともすれば、「ガーデンではあれをしてはいけません」「こんな風に振る舞いましょう」と先生がルールを押し付けてからのスタートになりがちだけれど、そうではなく、子ども自身がガーデンを探検しながら自分なりの菜園感を見いだしていく手法が本当に素敵です。


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・・・ああ、書ききれない。

他にもたーくさん、ここには書ききれないさまざまな出会いと奇跡のはじまりがありました。運営やスピーカーの私たちにいたらなかったところは多々あれど、短い時間の中になんとか皆の思いをぎゅっと込めることはでき、それを参加者の皆さんにしっかりと受け取ってもらった実感もある、本当にいい場でした。


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ここから確実に、いいものが広がっていく実感。それは何にも代え難い幸せです。

関わってくださったすべての皆様、本当にありがとうございました!


呼んでいただけたら駆けつけますので、#ESYaademy 報告会、皆さんの学校でもぜひ♡!(ベイエリアでのエディブルムーブメントを撮った映画 ”Edible City” 自主上映会とのセットもオススメです!)

意味がないことにこそ、意味がある - 「そっか」がgreenzに掲載されました

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Greenz interviewed us about our new initiative "Sokka" in Zushi. Yay!!

 

 

7月に、一般社団法人「そっか」をはじめました。

 

逗子は東京のベッドタウン。決して土地からの恵みが豊かな田舎ではありません。それでも、みんなでちょっとデザインすれば、自分の暮らす土地半径2kmで「食べる」「つくる」「遊ぶ」をフルに味わうことができる。その幸せ、子どもたちと全力で共有しています。

 

今日はこれから、一色海岸まで子どもたちと素潜りに。午後2時〜4時は逗子海岸にて、どなたさまも参加大歓迎・参加無料・予約不要の「海の子ども会」。そっかそっか、こうすればできるのか、を足下(音読みで”そっか”)の小自然、そして子どもたちに日々教えてもらっています。

 

10月には逗子海岸の水で塩炊きし、「この町で採れるものバーベキュー」をやります。塩は買えば早いし、魚も肉も野菜もスーパー買うほうが簡単。わりと都会なこの町で、夕飯のために前の晩から塩を炊き、昼から食料採取にいこうなんて、「そんなことして、何になるの?」という声が聞こえてきそう。だけどやっぱり、自分が暮らす海で塩炊きしたいし、野菜も自分で作りたい。それを子どもと一緒にやってみたい。なぜなら、それがただ猛烈に楽しいから!!

 

意味があることだらけの効率的な世の中では、一見意味がなさそうなことにこそ、深い意味がある。

 

・・・かもしれない、とも思っています。

 

まだまだはじまったばかりの段階ですが、さっそくgreenzが記事にしてくれました。信頼するライターさんであり、greenzシニアエディターの池田美砂子ちゃんのインタビュー、わが家から徒歩20秒の家に住む天才カメラマン小禄慎一郎くんの写真。

 

公開当日のうちに、600人以上の方がシェアしてくださいました。

ご覧いただけたら嬉しいです!

 

http://greenz.jp/2016/08/19/sokka_zushi/

 

 

 

「そうそう、こんな風に仕事がしたかった」- エディブルスクールヤードの組織論

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食農育のポータルサイト「Riceball Network」に、エディブル・スクールヤード・アカデミーからの報告連載、2本目がアップされました。

 

「スタッフみんなが仲良しで、意義ある活動をして、ちゃんと成果を出して・・・ESYの秘密はどこにあるの?とよく聞かれます。今朝は、その種明かしのような話からはじめましょう」、とディレクターのカイルが話しはじめた、ESYの組織論がすばらしすぎました。

 

個人的には、「社員をサーフィンに行かせよう」(by イヴォンシュイナード、パタゴニア創設者)を読んで以来の衝撃!

 

フラットな人間関係、「楽しい」と「(子どもだけでなく)自分の成長」が真ん中にある仕事、徹底したプロフェッショナリズムと、相手への敬意をこめたフィードバックをしあう文化。

 

「なんとなくいい感じの教育」「なんとなくいい感じのオフィス」は数あれど、それを「自分たちの組織文化って、文章にすると多分こうだよね」ときちんと明文化し、「本当にそうかな?」と明文化されたものを全スタッフで意識しながら2ヶ月仕事をしてみて、全員からフィードバックを受けてまた更新する・・・なんてことをしているまっすぐな組織には初めて出会いました。

 

教育関係者はもちろん、組織のありかたでスッキリしないところのある方、皆さん読んでいただけたら嬉しいです。きっと、「そうそう、こんな風に仕事がしたかった」とスカッとするはず!

 

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<もっと楽しく、風通しのいい職場をつくるために - ESYの組織論>
http://riceball.network/archives/1181
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※連載1本目はこちら:
「今こそ、エディブル教育を」 http://riceball.network/archives/1114

 

 

10周目を迎えた「ピースボート子どもの家」

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25 children and the parents are now onboard Peace Boat's global voyage. Articles are all in Japanese, but please enjoy the photos of the world first "onboard" Montessori Program!!

 

7年前にはじめた地球一周する船の上のモンテッソーリ保育園「ピースボート子どもの家」も、今回で地球10周目。フェイスブックページで、先生たちが書いてくれるブログの更新をお知らせしています。

 

初めて母になったとき、立てば這い、這えば歩もうと頑張る子どもの姿に感激しました。「うちの子、天才!」と思ったけれどw、そうではなく、世界中どこに生まれる子どもたちも、そうなんです。自分には絶対にできると信じて、努力をすることに喜びを見いだすことができる、そんな子どもの力を見て、衝撃を受けました。

 

それまでは大人向けに、平和教育・環境教育のプログラムを作っていたけれど、すべての子どもがもともと持ち合わせているこの素晴らしい力を大人社会が邪魔しないことこそ、いちばんの平和づくりなんじゃないかと思いました。

 

差別も偏見もなにもない小さな子ども時代にこそ、世界に出会ってほしい。言語も文化も自然の景色も、なにもかも違う世界中であたたかく受け入れられる経験をしたら、どれだけ大らかな心が育つだろう。

 

国際モンテッソーリ協会元理事でありすばらしい教育者、深津高子さんに相談しながら、子どもの「できた!」を応援する保育園を船につくり、これまでに150人以上の子どもたちと旅を続けてきました。

 

私の娘は4歳のとき、どこの国が面白かった?という問いに対して「ヨルダン!」と答えました。お祈りの時間を知らせるアザーンの響き、おやつにいただいたデイツの甘さ、ぎゅーっとハグしてくれた大柄の現地女性の笑顔が、イスラムの奥深さ、あたたかさとして彼女の中に残ったようでした。

 

実際に現地を訪ねる前に、メディアから刷り込まれる大人が持つ「イスラム」観と、なんて違うことか、と涙が出そうなほど感激したのを覚えています。

 

さて、そんな子どもたちの船旅も、今回で10周目。25人の子どもたちとその保護者、先生たちをあわせて50人の大家族で、横浜&神戸港から地球一周へと出発し、現在インド洋を航海中です。

 

 ※インスタグラムも更新中!

 

私は今は陸からささやかなサポートをするのみですが、今回もどんな出会いと成長があるか、ワクワクして見守っています。よかったら皆様もぜひ、「子どもの家」ブログをチェックしていてください♩

 

http://pbkodomonoie.jp/blog/

娘の桃の料理熱

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Love my daughter's love for cooking... My young chef is cooking Japanese simmered potatoes, grilled veggies, and white radish miso soup all at the same time tonight!! 

 

夕飯を作り出すと「桃がやるー!」と毎晩のように参入してくる桃さん。昨晩はいい感じの手際で、肉じゃが、ネギと豆腐のグリル、カブの味噌汁を同時進行でやってくれました。手出しすると怒るから、母はやりかたの指示だししながら、キュウリを塩もみしただけ。

 

後から帰宅した旦那さまも、朝、桃に「言われなかったらママが作ったと思っておいしく食べたよ」と太鼓判。

 

作るのはいたってシンプルなものばかり。でも、この夏休みは、2〜3日に一度の頻度で「ママは手を出さないで」でいろいろ料理をして、みんなに美味しく食べてもらって、本人なりに自信になったみたい。

 

ピアノが好きになって「シンガーソングライターになりたい」と言いはじめたとき。カヌーに情熱を見いだして「アウトリガーカヌーの選手もいいな」と言いはじめたとき。料理熱に火がついて、これからバリでゲストハウスをやる私の妹に「桃のこと、シェフとして採用しようかな!」と言われて鼻の下をのばしたとき。ほんと、眩しいなあと思うのです。

 

「大人になって、桃が本当にシェフになったらどうする?」と言われ、「なれるよ。桃がなりたいと思って本気で頑張ったら、なんにだってなれるよ。シェフになった桃がおいしいご飯いっぱい作ってくれたら、ママ嬉しいわー!」って答えました。

 

子どもたちには「なりたいと思って本気で頑張ったら、なんにだってなれるよ」っていつも言います。そして、本気でそう思ってます。大人がそれを邪魔しないかぎり、そして、国が平和で、圧倒的な紛争や貧困や環境破壊の中に身を置いていないかぎり、世界中どこに住むどんな子どもも、なりたいと思って本気で頑張ったらなんにだってなれる。

 

子どもって、本当にすごいよなあー。

 

だから大人の仕事は、子どもが安心して、本気で頑張れるための社会をしっかりと作ること。なんだなー。

 

スローフードの祭典 "Terra Madre" に参加しに、トリノへ!

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I will join Terra Madre 2016 from Sep 22-26, as one of the Japanese delegates. 350,000 people are coming to the event, from all over the world. As Carlo Petrini says, slow food unites the pleasure of food with responsibility, sustainability, and harmony with nature - Proud and honored to be a part of this delicious movement!!

 

今月末、スローフードインターナショナルが2年に1度主宰する食の祭典「テッラ・マードレ」に参加します。世界中から35万人が参加する国際会議であり、ありとあらゆる美味しいものが集まる、小規模農家・生産者・シェフ・教育者・科学者の交流の場。私はそこに今回、光栄にも、日本代表団のひとりとして参加させていただきます。日本からは私たちのほかにも、100人以上が参加予定!

 

食は、ひとが生きるのになくてはならない根源であり、尊厳です。世界の食糧は足りないのではなく、食のシステムが壊れているだけ。人災である「飢え」は、人の手でなくすことができるはず。

 

ピースボートで働きはじめた15年前からずっとそう思ってきて、エディブルスクールヤードの活動や、子育てを通して活動する中、スローフード協会が行ってきた活動の数々に心動かされています。

 

「私たちが口にする食べ物の質、それを作っている生産者の生活の質、そして環境を守り向上させることが世界的な飢餓と肥満の解決にもつながる」by Carlo Petrini(スローフード・インターナショナル会長)

 

ーーだから、小規模農家を支える。伝統食・郷土料理を守る。アフリカに10000の菜園をつくりながら、地域リーダーを育てる。世界中の学校に、菜園をつくる。などなどなどの具体的な活動。ものすごーく、共感します。

 

これを機に、私も、足下でできることを、とスローフード日本のメンバーになりました。日本に根強い「スローフード=お金持ちのグルメ」的なイメージを変えて、動き出すために、できることはなんだろう。まずは今回、世界の友人たちとつながって、学んできます。

 

字幕が読みづらいですが、テッラ・マードレがどんな場所か、ぜひ映像で観てみてください。(ちょうど2分のところではじまる)ヴァンダナ・シヴァのスピーチ、そして各国衣装に身を包んだ草の根の人たちの声に、スローフード活動のすべてが凝縮されているように思います。

 

●Terra Madre People - 日本語字幕
https://www.youtube.com/watch?v=weJ8K9k4OwM

 

誰もが安心して、大切なひとと「美味しいね」と笑いあってごはんを食べることができる世界へ。

 

まずは着物の着かたを勉強しなおすところから、いくぞー!!!

 

 


学校給食を考える

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I will be one of the speakers at forum "Rethinking School Canteen" at Terra Madre Salone del Gusto on Sep 25 at 1:30pm. Please join if you are in town!! (Details: 
http://www.salonedelgusto.com/en/140821event/?ev=278)

 

 

いよいよ来週からスローフードの祭典@トリノへ!

 

今週中は必死で仕事を終え、着付けを学び直し、プレゼン準備です。食の分野で活躍する友人たちを通訳としてお手伝いできるのも嬉しいし、スピーカーとしても「学校給食を考える」フォーラムに登壇することになりました。イタリア、米国、デンマーク、チェコからの登壇者に並び、日本の学校の話をしてきます。

 

(わ、私でいいのかな・・・? と思いつつ)

 

日本の給食、欧米のに比べて「悪くない」と思っていたけれど、エディブルスクールヤードジャパン代表の 堀口博子 さんに教えていただいた給食改革の例をまとめていたら、本当にワクワクしてきた。まだまだできること、ありますね。草の根で「食」から世界を変える人たちの、なんと輝いていることか!

 

・福岡ではじまり、全国に広がる「弁当の日」
https://f-ouen.com/bento/

 

・愛媛で給食室の前に世界地図を貼った丹下晴美先生
http://www.ruralnet.or.jp/syokunou/200604/01_1.html

 

・東京・境南小学校のオーガニック給食
http://www.worldfoodday-japan.net/join/interviews/?p=46
http://www.musashino-city.ed.jp/…/04_kyoun…/menu_pickup.html

 

などなどなどなど、日本にもたくさんの素晴らしい事例があります。(帰国したら、三浦半島でも パーマカルチャー母ちゃん たちと「改革」、しかけたい!)

 

なかでもスゴいと思ったのは、武蔵境の境南小学校の例。36年間勤めた管理栄養士の海老原洋子さんの取り組みがパワフルすぎます。

 

海老原さん、オーガニック給食の必要性を先生たちに理解してもらうために、職員室に採れたて野菜をズラリと並べて先生たちに持ち帰ってもらい、まずは先生に「おいしい」を実感してもらうところからはじめました。最後の先生がついに野菜を持ち帰った翌年、オーガニック給食がはじまったそうです。な、なんという粘り強さ。

 

有機農家さんで、全校生徒数百人のために野菜をつくってもらうのは大変なこと。年度始めに献立を考えたら農家さんを学校に招き、どの月になにがどのくらい必要か、「前期はタマネギが○トン、ジャガイモが○トン必要です」と、作付け会議を行います。学校給食を改革し、子どもに安全な食事を提供しながら、志高い農家さんの仕事も作っている。すごー。

 

豚は、有機農業研究会の方が飼育している豚を一頭買い。自家飼料のかぼちゃやとうもろこし、穀物などを与えられ、病気の際も抗生物質を投与していない豚です。出汁をとるために、骨まで大事に使います。バラ肉やロースなど使いやすい部位だけ買って「あとは知らない」ではなくて「一頭買い」するところからも、ああ、子どもたちの安全だけでなく、世界全体を見渡す目を持っている方なのだと感激します。

 

学校での改革は、子ども・先生・保護者・教育委員会・地元行政・県政・提携農家・加工品企業など関わる人が多岐にわたるから大変。そんな中、管理栄養士さんが活躍しているのは、どういうわけでしょう?

 

「校長先生は数年で変わる。保護者も、兄弟がいたとしても6年前後しか学校に関わらないのが一般的。管理栄養士さんは、選べば、定年までその学校に勤めることができる」と博子さん。

 

な、なるほどー! 改革の鍵は、食を知り、農家とつながり、学校勤務が長い、料理人にあるのかもしれません・・・。そういえば、アリス・ウォータースのお膝元、MLK中学校でもシェフのアン・クーパーさん(http://www.chefannfoundation.org)の大活躍で素晴らしい食堂ができていました。

 

畑とキッチンを学校につくり、荒れた中学校を再生させたアリス・ウォータース。英国で給食革命を起こしたジェイミー・オリバー。貧しい家に生まれた子どもたちでも通える料理学校を設立し、ペルーで「美味しい革命」をおこしているガストン・アクリオ。そうだそうだ、彼らはみんな、料理人です。かっこいいなー!

 

紛争、広がる格差、環境問題・・・ 世界規模の課題は多く、それに真正面から立ち向かおうと努力を続けると、気付けばどの国際会議もエリートたち独壇場の議論の場になっていることに気がつきます。(もちろん、それはそれで、意味があるのだけれども)

食べる、ということを真ん中に持ってくるだけで、集まる人は、農家であり、漁師であり、シェフであり、小売店の店主であり、学校教師であり、母親たちに変わっていく。そして皆で、「美味しいね」と頷きあいながら、食卓を介して、こんなにもしっかりと世界とつながることができる。

 

うーん。食の世界、深いな。

 

来週からはじまる Terra Madre Salone del Gustoには、そんな風にして世界中から、思いある草の根の人たちが集まります。

 

「グローバル課題へのハッとするような解決策はいつも、徹底的にローカルに根ざして頑張る人たちの中にある」

 

地球一周をとおして自分なりに得た哲学が、音を立ててかたちになるのを見に行くような気持ちです。ああ、本当に楽しみ♡

 

 

すべての公立学校に菜園を! ご支援のお願い

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Edible garden and garden teachers to all children - Please please support Edible Schoolyard Japan for its very first crowd funding attempt!!

 

https://readyfor.jp/projects/edibleschooyard

 

多摩市立の公立小学校ではじまった、日本で初めてのエディブルスクールヤードが、次の春で3年目を迎えます。

 

小麦を育て、窯も自分たちで作るところからピザを作り、自ら育てた野菜を使い、地域のシェフを招いて料理のクラスを行います。菜園には子どもたちが互いの顔を見ながら円になって座ることができる「アウトドアの教室」も完成しました。理科の栽培だけでなく、家庭科の調理だけでない、すべての科目を統合させうるツールとしての菜園が、公立小学校に完成したのです。

 

ここで2年間過ごし、卒業して中学生になった子どもたちは、今年、校長先生が変わったときに、直談判しにきたと言います。

 

「校長先生が変わっても、エディブル授業はやめないで!」

 

多摩のこの学校での取り組みがここまで来るのに、どれだけたくさんのプロフェッショナルたちがボランティアで関わってきたか、ずっと横で見てきました。1年目に菜園で子どもたちと働いた友人 Phil Cashmanや、エディブル・スクールヤード・ジャパン代表の 堀口博子さんはじめ、素晴らしい大人たちを見ていて、思うのです。彼らが、「菜園の先生」という職業で生きていくことができたら、どんなに素敵だろうと。

 

(私が尊敬する「菜園の先生」のひとりは、夜勤で介護の仕事をしながら、昼間に菜園をつくっています)

 

子どもたちに寄り添うことができる、素晴らしい「菜園の先生」を支え、育てていくのは、地域の大人としての急務です。なぜなら、いまの時代を生きる子どもたちに必要なのは、ひとつしかない答えを "教える" 先生よりも、いくつもある答えを "一緒に探求するのを楽しむ” ことができる先生だから。そんな先生がもしすべての学校にいたら、日本の未来はきっと変わっていくでしょう。

 

幸い、自然の中や、菜園には、"答え" は子どもの数ぶんだけあります。公立学校に「もうひとつの教室」としての菜園ができ、そこで、子どもに寄り添うことができる素晴らしい先生が育っていったら。「みんなで作って、みんなで食べる」幸せが、日本中すべての子どもたちの日常になったら。”教える” のではなく ”一緒に探求を楽しむ” 菜園先生の存在の質は、校内で他教科を教える先生にも伝播していきます。

 

私は、その実現のためなら、親として、できることはなんだってしたいと思っています。

 

まずは、多摩市立のこの学校を、日本の菜園教育モデル校として確立するために、クラウドファンディングをはじめました。来年度以降、日本にも2校目、3校目と増えていき、保護者たちがクリエイティブな資金集めができるようになり、最終的には行政がこういった取り組みに予算をあててくれるようになったら最高。

 

長い長い道のりの最初の一歩、どうか一緒に応援してください。
よろしくお願いいたします。

 

https://readyfor.jp/projects/edibleschooyard

 

 

菜園革命 - The Garden Revolution

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The Garden Revolution - A talk by Alice Waters, Ron Finley, and Edward Mukiibi at Teatro Carignano was absolutely amazing... I love #Slowfoodmovement and #EdibleSchoolyard!!

 

米国オーガニックの母アリス・ウォータース、ベイエリアのカリスマ・ゲリラガーデナーのロン・フィンリー、アフリカ10000の菜園プロジェクトのエドワード・ムキービの鼎談「菜園レボリューション」が素晴らしすぎて、涙。 

 

オペラ鑑賞ができる美しいテアトロで3人が語っていたこと。

すべてに頷きっぱなしで、全部覚えていたくて、メモを取る手が腱鞘炎になるかと思いました。ただの聴衆として参加したのに、気がつけば、仕事で通訳するときくらいの濃度でメモしていました。笑

 

以下、これでもトーク全体のサマリー程度ですが、メモを起こしましたので、皆さんにもお裾分けさせてください。

 

 

アリス

 

「米国カリフォリニアバークレーの中学校ではじめた菜園活動は、今年でもう21歳になります。それは、予想もしなかった展開から、自然とはじまったことでした。

 (アリスのレストラン)シェ・パニーズのそばに、荒れた中学校がありました。世界中から人が集まるUCバークレーがあるこの町で、どうやったらそんなに朽ち果てることができるの?というくらいに、暗いイメージの中学校でした。

 あるとき、同じ町に暮らす1人の大人として、何かできることがしたいという私のインタビューをたまたま聞いていたその中学校の校長先生が、電話をくれました。アリス、一度会いにきてください、って。もちろん、行きましたよ。校長と二人で学校を歩いていてすぐに、素晴らしいアイディアが浮かびました。草が伸び放題だった職員の駐車場を耕してガーデンに、ボロボロになってもう何年も使われていなかった食堂を改装して、キッチンにしたらどうかしら、って。

 人が学ぶのにいちばんいいのは、自分で手を動かすこと。やりながら学ぶこと。それは、モンテッソーリスクールの先生だった頃から、私の中で変わらないことでした。だから、菜園とキッチンができることで子どもたちがきっと変わる、というアイディアで校長と盛り上がって、それは興奮したものでした。」

 

「育てて、料理して、食べる。それをみんなで体験して勇気づけられたら、あとは自然が魔法をかけてくれます」

 

「菜園をはじめて10年たった頃、ガーデン授業、キッチン授業だけでなく、”給食” を学校の教科にしようと動き始めました。このランチマットを見てください。素敵でしょう?歴史の授業で学んでいるシルクロードの時代、食べ物はどこからどんな風に運ばれていたか。それがランチマットに描かれていたり、その時代に貿易された食べ物が実際に給食に出てきたり。給食を食べる時間が、言語や歴史を学ぶ時間にもなる。給食を食べることで、単位がもらえる。そんな風にしていきたい」

 

「いま、全米には1500の菜園プロジェクトが広がっていて、それぞれに行っている授業をウェブサイトにて無料で共有できるようにもなっています」

 

 

エドワード

 

「僕は若い頃から、自分の暮らす地域と学校の食べ物のことが気になるような子どもでした。どうしたらいい?誰か助けて!と思っていたのが、成長し、アフリカの歴史を勉強することで “アフリカの土地は自分たちにしか守れない” と悟りました。そこで、”アフリカ10000の菜園プロジェクト” をはじめました。いま、スローフード協会の支援も受けて、まだまだ広がっています。

 菜園づくりは、まずは学校からはじめました。1000の学校菜園を作ろうと思っていましたが、それはすぐに達成されました。24カ国に、1000以上の学校菜園ができました。しかも、トップダウンではなく、草の根からのやりかたで。

 アフリカには、すべてあります。資源も豊富、日照時間も長く、明るい人たちがいる。ただひとつだけなかったのが、地域のリーダーでした。草の根からの運動で菜園を作る、というこのプロジェクトによって、地域のリーダーたちも育っています。

 いまは42カ国に3000以上の菜園が、アフリカ中に広がっています。毎日毎日「私たちの地域でもやりたい」というメールが届きます。この1年間だけで、150通のリクエストがありました」

 

「菜園ができる前と後で、子どもたちに大きな変化があります。子どもと、そして先生にも、社会生活に変化が現れてきます。人に接する態度が変わります。

 昔、人は罰としてしか菜園に行きませんでした。植民地政権下で、自分の母語を話せば “畑を耕してきなさい” と言われました。やらされている畑ではなくて、皆の興味からはじまる畑でなくてはなりません。そのためには、畑にどんな作物を植えるか、そのデザインから皆で取り組む必要があります。自分たち自らが参加し、計画すると、態度がネガティブからポジティブに変わります。

 菜園に関わった1万人の子どもたちを見てきましたが、みんな、新しい人に話しかけるようになります。菜園で出会う人は安心、と感じるようになります。これまで、知らない人に話しかけるのは怖いと思っていたような子どももです」

 

 

アリス

 

「それを聞いて、どうしても共有したくなった話があるわ。サンフランシスコに、刑務所が運営する畑があります。私がそこの有機野菜を “買いたい” と言うと、オーナーが “ただ買うのはダメ。いちど見に来なきゃ売らないよ” と言うの。刑務所は怖いイメージだったし、行きたくなかったけれど、そこの野菜が欲しくて、刑務所に行きました。するとそこには、7エーカーの素晴らしい畑が広がっていました。

 3年間、刑務所と外を行ったりきたりの囚人に話を聞く機会がありました。彼が言うの「ここにきて、初めて畑作業をした日は、僕にとって人生最良の日でした」って。刑務所から釈放される日には「ここを出たくないと思った。まだ畑作業を続けていたかったから」と感じたそう。…刑務所でできるなら、学校でだってできるはずでしょう?」

 

 

 

ロン

 

「畑仕事が罰だってこと、よくわかります。放送禁止用語かもしれないけど、奴隷時代からの刷り込みがある。罰=奴隷だから、みんなやりたくない。

 だから、俺は畑仕事=ガーデニングを文化に戻したい。すべての生命は土から生まれるんだから、そこに携われるなんて素晴らしいじゃないか。奴隷時代の人たちは、畑作業を “しなくてはならなかった”。今の時代、土はゴールドを生むゆりかごなんだ」

 

「農業のこと、Agricultureって言いますね。agri-”culture”、つまり、文化なんだ。土があったら何ができるか。そんなクリエイティビティーを働かせるための場。ガーデニングしてるやつがモテる、菜園がセクシー、そんな空気を作りたいですね」

 

「俺が畑作業をはじめたのは、家の前にコンドームが捨ててあるのを見たとき。あまりにセクシーじゃない風景に嫌気がさして、コンドームを捨ててヒマワリを植えたんだ。その頃ちょうど、家からかなり遠くまで離れた場所までいかないと健康的な食べ物が手に入らない毎日にうんざりしていた頃だった。近所には酒屋しかない。なんで1000人も人がいるこの地域で、新鮮な野菜が手に入らないんだ?もう、うんざりだ。

 地産地消、ローカルがいいなんてみんな言うけど、俺はハイパーローカルを求めていた。近所じゃまだダメ。どローカル、つまり、自分の家に野菜がほしかったんだ」

 

「家に野菜を植えはじめてすぐに、それが楽しくなってきた。そうだ、公園にも植えてやろうと思った。近所の空き地にも。え?そんなこと勝手にして、苦情が来なかったかって?来たよ。あそこの土地にニンジンを植えてる狂ったやつは誰だって通報されて、捕まったこともある。でも大丈夫、有名人になれるぜ。みんな、土から食べ物ができるのは “変わっている” ことで、庭には芝生しか植えちゃいけないって思い込んでるんだな。15年間雨が降ってないカリフォルニアで、あれほど水を食う植物もないっていうのに」

 

「思い込みの度合いがヤバいところまで来てると思う。良心も、文化も、全部変えていかないといけない。色と、手触りと、五感全部を使って。ゲリラガーデニングでやってるのは、菜園づくりだけじゃない。俺たちが本当に生きたい世界はどんな場所かってことを、実験しているんだな」

 

「空いている土地に、食べ物を植えよう。めちゃくちゃに簡単なことだけど、これをみんなでやったらどうなる?地球のまわりかただって変えられるよ。土を耕すことで、この星の良心を取り戻すことができる。ほら、ここに座って。人種も宗教も関係なく話そうよ、みんなで楽しくやろうよってとこまでいけるはずなんだ。みんなでやれば」

 

「俺は、明けても暮れても土を作っているんだ。みんな、土からもらった生命を食べて、ウンチを土に返している。そんな簡単なことをみんなと思い出すために、俺はガーデニングを続けている。

 ただそれだけのことなのに、最近、俺は大学に招待されたりする。大学だよ。この俺が。ほんとに?って聞いちゃうよね。で、大学で講演して面白いなと思うのが、頭のいい学生たちは “how to think - どうやって考えるか” を教わっているんだな。俺はアホだから “what to think - 何を考えるか” からはじめたんだ。何を考えるかを自分で決めることができたら、自分を閉じ込める壁はなくなるよ。

 いつも学生に話すのは、なんだって自由にできるよってこと。自分の人生を、自分でデザインしたとおりに生きていいんだよってこと。当たり前のことなのに、それを言うと学生たちは “本当に?” って顔をする。もともと壁なんてないのに。当然だろ、みんな平等に白いキャンバスを与えられているんだ。そこに何色から色をつけるかなんて、俺は知らないよ。自分で考えろよ。大きな企業や学校に決めさせんなよ」

 

 

 

エディー

 

「アフリカ10000の菜園プロジェクトでは、管理するのは地域のリーダー。学校の畑の管理人に保護者や祖父母が関わるというのは先進国での話。アフリカではそんなことはできない。まず、広大な地域に学校がひとつしかなくて、子どもたちは毎日遠くから歩いてきている。祖父母の弱った足で、そんな距離を通うのは難しい。それに多くの場合、まず家族が食べていくために両親共働きの家族が多いし、家の食べるぶんを畑で作るのも忙しい。保護者が学校の畑を手伝うというのも、アフリカではいい提案とは言えません。

 保護者を学校に誘うのは、収穫をして、収穫物を分かち合えるとき。収穫物を使って料理のクラスをして、無料で食事をふるまうことができるとき。ただ、年間の菜園計画は親も祖父母も入って考えます。どの時期に何を植えて、育てるときにどんなことに気をつけるか、みんなの知識を総動員して、学校の菜園を作ります。保護者が、大事な種をわけてくれるときもある。結果として、学校菜園が地域の知恵と種の集約の場となっている」

 

 

 

アリス

 

「いま、エディブル・スクールヤードには、(エディブルスクールヤード実施校の)マーティン・ルーサー・キングJr中学校卒業生が2人、今度は先生として戻ってきてくれています。私のレストラン、シェ・パニーズにいる22歳のインターンも、卒業生。中学校生活はたった3年間だけど、短い間でも、一度入れば、ずっと彼らの中に残るのよ。DNAの一部になるような感じね。

 その意味では、土に触れて食べ物をつくる体験は、幼稚園からはじめるのが一番いい。育てて、料理して、食べる、という流れが自分の一部になるから。子どもだけで給食室を運営するのもいい。農家さんとのやりとり、作る量と経費の計算、誰に何が向いているかという心理やコミュニケーションの勉強にもなる。調理室を設計するところから子どもたちがやるのもいいかもしれない。

 って、そんな話をすると、こう言う人がいるの。 “それは素晴らしい職業訓練ですね”。違う、そうじゃない。やりたいのは、五感に戻ること。世界への視点を変えること。そうすることで、人間性まるまるが育つから」

 

ロン

「そう、技術の話じゃない。これは、生きる力の話なんだ。食べ物の話だし、命の話。自分がどう自分であることができるかって話」

 

エディー

「健康で正しい食べ物の側にあれば、人は、正しい側に生き、夢のある側にいようとしがみついていることができる。地域のリーダーとして菜園プロジェクトに関わっていたカンパラの大学生たちは、自分たちの大学の敷地内にも畑が欲しいと大学側と交渉して、見事実現していました」

 

アリス

「素晴らしいじゃない。そう、食べ物については、言って言い過ぎることはないの。だって、そうでしょう?子ども一人あたり5ドルの予算で、安全で美味しい給食と、その給食をつくる人の雇用を生むことができるっていうのに、なにを躊躇しているの? ”ホワイトハウスの裏庭に菜園ができて、素晴らしいですね” ですって?とんでもない。なぜ、正面玄関の側に作らないのって聞きたいわ。」

 

 

ロン

「そうなんだよ!俺の野菜はセクシーだから、正面側で見せびらかしたい。ただそれだけのことなんだ」

 

アリス

「本当に美味しいものを食べるとね、人は、必ずそれをもう一度食べたい、と思うようになるの。私にとって、フランスで食べた旬のアプリコットのジャムと、苺がそうだったように。本物の美味しい食事は、必ず人をテーブルに集めます。また戻りたくなるものなのよ」

 

ロン

「いいものが入ってきたら、いいものが出て行く。美しいものが入ってきたら、美しいものが出ていく。シンプルなことなんだよね」

 

アリス

「この会場もそうでしょう?美しい装飾、本物の空間。場がこんな風だと、会話の質だって変わってくる。”できる” って感じられる。美しさの魔法を、もっともっと使いましょうよ」

 

ロン

「俺たちはファストフードと大企業の奴隷になってしまった。 “なぜあなたは、次世代を育てることにそんなに情熱を持つことができるのか?” だって?別に、みんなに伝えようとは思ってないよ。自分の周りに本当のことを集めておきたいだけ。だっておかしいだろ、うちの近所には教会が2つあるのに、オーガニックのリンゴは10マイル離れた場所に行かないと手に入らない。まじかよ、教会にも畑作れよ、なんのための教会だよって。

 子どもには、”君らしくあれ。君が君でいられるために必要なことを学べ” と教えなくちゃいけないっていうのに、代わりに ”気をつけろ” と恐怖をあおるメッセージを受けつけている。あれをするにも、これをするにもお金がかかるぞ。金を稼げなかったらのたれ死ぬぞって。そうじゃない。オーガニック野菜が4キロあったら毎日飲んでるその薬は、いらなくなるぜ。

 壁は、どこにもないんだ。ただ考えぬき、感じ抜けばいい。やってることの正しさがみんなに伝わるのは、時間の問題なだけ。絶対にやると決めて動けば、自然と結果はついてくる」

 

 

アリス

「私には、待っている時間がないの。もう、明日にも変えたいのよ、学校を。身体を動かすことは学校の仕事じゃなかった時代に、ケネディ大統領の英断で、体育が教科になったように、いま、食を教科にしなくちゃいけない。体育が教科になったことで、校庭にトラックができ、新しい教師の雇用が生まれた。子どもたちも、身体を動かすことで単位をもらえるようになった。それと同じ改革が、いま、食にも必要なんです。

 安心で美味しい給食を食べることで、子どもたちに単位をあげましょう。それが、農家を支える道だから。それが、子どもに “おいしく、きれいで、正しい” 価値観を伝える道だから。給食を学校の教科に。オバマが大統領である間に、ぜひ実現させたいことね」

 

ロン

 

「いま、俺は自分の考えに制限をつくる壁を取り払うだけじゃなく、家の壁も取っ払うことにした。土が育ててくれた野菜をシチューにして来る人に配っていると、アル中や薬中毒がたくさん集まってくる。大変じゃないかって?なんでもないよ。土が人に何をしてくれるか、考えてみてよ。俺のしていることはそれに比べたら、本当になんでもない、人は、そんなことも忘れてしまうくらいに、土から離れすぎたんだな。

 人間は、土から炭素を取り出して、それを土に十分に返していない。だから俺は、土を育てているんだ。植物を育てているんじゃない。土を育てれば、植物は種蒔きゃ勝手に育つ。みんなコンポストを嫌うけど、俺はコンポストよりセクシーなのは母なる自然くらいしかないと思っているよ。

 地球には、人間なんて必要ない。人間が絶滅したって、地球は続いていく。俺たちには、地球が必要なんだ。俺たちは自然の一部で、俺たちがオーガニックなんだ。土は必ず生命を生んでくれる。みんな、もっと土とセックスしようぜ」

 

若い人からの質問:

「みんなと危機感を共有したい。難しい話じゃなくて、今日みたいにセクシーなやりかたで人に伝えるには、どうしたらいいですか?」

 

ロン

「問題があるってわかってるなら、大丈夫。人に伝えることより、君が、君のやりかたで直したらいい。完璧なリーダーなんてどこにもいない。君自身が先導者で、リーダーなんだよ」

 

 

みんな、なんて素敵で、突き抜けているんだろう。世界は広くて、もっともっと高みを目指している。これなら、まだ間に合うかもしれない。日本でだって、まだまだ走り抜けていい。

 

これを、1人じゃなく、これから日本で一緒に動いていきたい、信頼する仲間と一緒に聞けたことも宝物。頑張る勇気、もらいました。

ああ、かみさま。素晴らしい大人たちに出会わせてくれて、ありがとう。

 

 

 

世界中で起こりつつある学校給食革命

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I was honored to be a part of “Rethinking School Canteen” forum at #terramadre2016 along with speakers from different parts of the world. Inspired so much from everyone of the speakers and now determined to do what I can to make a positive shift in school lunch. Loving the idea of making school lunch an academic subject. Yes, children should get credit for eating good, clean, and fair food.

 

スローフード・インターナショナルが2年に一度開催する食の祭典「テッラマードレ」から持ち帰った出会いと刺激を消化しきれないまま毎日を過ごしています。

今日は、学校給食の話。

 

今回、米国、デンマーク、チェコ、イタリア、アフリカ全土で給食改革に取り組むスピーカーたちと共に、日本からの登壇者として <Rethinking School Canteen / 学校「給食」を考える> に参加してきました。

 

 

 

デンマークからの登壇者の話が、まず先進的すぎて、衝撃でした。

 

「コペンハーゲンでは、15年前に “市内の公的なケータリングの90%以上をオーガニックにする” と決めました。現在、学校給食のオーガニック率は88%。9割の目標は、来年度中に実現できます」

 

「都市化が進む中で、農家の救済が必須なのはどの国でも同じですが、コペンハーゲン市では “Trade, not aid / 支援ではなく、公正な取引を” を合い言葉に、給食の加工食品を減らし、旬の野菜をより多く取り入れることで農家を支援しています」

 

「単一作物栽培は、国家の生物多様性にも打撃を与えるため、多様な作物を育てている農家から優先的に購入すると発表し、実際そのようにしてきたところ、この15年間で農家の育てる作物がどんどん多品目・オーガニックに変わってきています」

 

 

「加工品を減らすことができるよう、夏期休業の時間などを利用して、旬の野菜をたくさん調理し、保存食にするなどの工夫をしています」

 

「子どもへの食育としては、子どもたち6人がチームとなり、丸一日かけて全校生徒の給食の一部を調理することを1週間体験する、という学びの体制を整えました。そのための先生ができる専属シェフを雇っています」

 

 

ほえー。うらやましすぎる!
(でも逆に、決めればできちゃうんだね、15年で。とも思いました)

 

ブラジルでも、数年前に「学校給食は少なくても食材の30%を地域の有機農家から仕入れること」という条例ができたことで、農家が変わりつつあるという発言もありました。

 

 

 

チェコからの登壇者は、スローフードシェフ(※これについても後日詳細レポートしたい)たちと共に学校給食に働きかけることを続けて、3年目の方でした。

 

「この3年間で、23校で働く給食調理員と管理栄養士92人が、スローフードシェフによる研修を受けました。そのうち4校では、スローフードシェフが学校給食を丸2日間、全校生徒に向けて調理&提供しました。その4校に通う1800人の6年生〜中学3年生は、実際にそのシェフたちと共に料理をするクラスを体験しました。
 多国籍・異文化の子どもがいる学校では、文化に配慮した調理も行うし、ベジタリアン食も美味しいという実感を得られるメニュー開発もします。授業を行ったあとの感想としては、子どもたちからは “地域で採れる旬のものがいちばん美味しいし、大事だとわかった”などの声、親たちからは “給食の時間にこんなに深い学びが得られるなんて” という声が多かったです」

 

イタリア・フィレンツェで病院食と学校給食のオーガニック化に取り組むSIAFという団体の方も、面白かった。

 

「学校給食をオーガニックに変えると、子どもの舌が変わってきます。お母さん、今日は塩が強いね、などの会話も家庭ではじまります。有機野菜をどこで買えばいいかわからない親も多いので、学校で提供する食事のレシピを家庭にも配布し、そのレシピを支えるオーガニック野菜を販売するトラックを学校に寄せたりもします。
 家庭の食卓が崩れはじめている今、学校給食こそが、食の伝統と、地域の生物多様性を守る切り口なのです」

 

 

イタリア・トリノ市の学校給食担当者の言葉も印象的でした。

 

「子どもは生まれてくる家庭を選べません。1920年代、貧富の差によって食べられる子どもとそうでない子がいるのはおかしい、と学校給食がはじまりました。現在は、カロリーベースでいえば、飢える心配はない社会。でも、お金があっても野菜を買って調理するのではなく、加工品を購入してレンジでチンして済ませる家庭が増えています。子どもの弧食の問題もあります。
 みんなで美味しい食卓を囲む体験をすべての子どもたちに。その意味で、学校給食は本当に大切です」

 

トリノでも、ニューヨークでも、給食の食材の一部をオーガニックに切り替え、その食材を提供する農家に子どもたちをクラスごとまるまる連れて行く授業を行うなど、理科や社会の学びと、給食の時間をうまく融合する学校が多い印象を受けました。

 

 

 

日本代表の私からは、何をどう発表するか、迷いに迷いました。私は給食の専門家ではない。ひとりの保護者として、一般的な学校給食を批判しようと思えばキリがない。でも、日本の給食がどれだけ酷いかを世界の人たちに伝えても、世界はいいほうに変わらない。であれば、参考にしてもらえるかもしれないポジティブな例を紹介しようと決めました。

 

「使っているのは慣行農業の野菜だし、ご飯食に牛乳とか組み合わせがメチャクチャこともあるけれど、それでも(米国やヨーロッパに比べたら)日本の給食は栄養バランスが取れている。子どもたちが自分たちで配膳し、片付けをするのも日本全国どこの学校でも一般化している。相対的に、悪くはない」とした上で、それでも「もっともっと高みを目指している」例を5つ、紹介してきました。

 

・福岡ではじまった、子どもが自分でつくる「弁当の日」
・西東京の「境南小学校」のオーガニック革命
・(私立だけど)生徒が毎日自分たちの給食を調理する「自由学園」
・(給食じゃないけど)2年目にして保護者と先生を変えつつある多摩市立愛和小学校でのエディブル・スクールヤードの取り組み
・(保育園だけど)園内外の大人たちの力でパーマカルチャー菜園をつくった「ごかんたいそう保育園」

 

日本のお弁当文化に心酔している方も多く、シェフでもない一般的な日本人が作るキャラ弁の写真には拍手さえ沸きました。36年間かけて、有機農家に雇用を生みながら給食を変えた海老原さんの話にはため息が聞こえました。90年も前から、食卓を真ん中に学びをつくってきた自由学園の例には、うなり声(笑)さえ聞こえました。「公立小学校を変えるのが難しかったら、まずは保育園・幼稚園から変えていく中で地域のリーダーを育てよう」という提案にも、拍手が起こりました。

 

全体的に、日本の食文化への憧れというか、圧倒的肯定感を持つ人が多い印象。この感じ、これからも大事にしていたいですね。

 

 

 

 

さて、スローフード協会には、数年前に「Dream Canteens/夢の学校給食」というプロジェクトが立ち上がっています。給食改革のために、どうやって保護者・教師・学校運営者・給食調理員・自治体・地域のシェフ・農家が一丸となったチームをつくるか。どうやって、加工品・冷凍食品を使うことをやめ、地元で採れる旬の野菜を使った美味しい食事を予算内で作るか(もしくは、どうやって、行政の給食予算をアップするか)。給食を通じて農家を支援したり、食糧廃棄を減らしたり、生物多様性を守ったりしていく方法は。学校でしかまともな食事を食べることができない家庭も少なくない中で、子どもや親への食育をどうするか。

 

そんな、大きな挑戦に取り組む地域のリーダーが増えつつあることを感じとったスローフード協会イタリア支部副代表が、フォーラム終了時のコメントで言いました。

 

「Dream Canteenに取り組むリーダーたちのネットワーク化をしましょう。各国の取り組み、これからもシェアしあえるオンライン・オフラインのネットワークを作り、互いに知恵と経験を共有していきましょう!」

 

満場一致、拍手で決定。
当然、登壇していた流れ上、私もそのネットワークの日本窓口になることに…。

 

えっ。

 

とか言ってる場合じゃなくて、こりゃもう、やるしかないね。笑

 

日本にだって、素晴らしい給食改革の事例がすでにたくさんある。やろうと思ったらもっともっと高みを目指せる。なにより「給食の時間を、正式な学校教科に」という発想にワクワクする。

 

 

 

 

アリス・ウォータースも言ってました。

 

「身体を動かすことは学校の仕事じゃなかった時代に、ケネディ大統領の英断で、体育が教科になったように、いま、食を教科にしなくちゃいけない。体育が教科になったことで、校庭にトラックができ、新しい教師の雇用が生まれた。子どもたちも、身体を動かすことで単位をもらえるようになった。それと同じ改革が、いま、食にも必要なんです。

 安心で美味しい給食を食べることで、子どもたちに単位をあげましょう。それが、農家を支える道だから。それが、子どもに “おいしく、きれいで、正しい” 価値観を伝える道だから。給食を学校の教科に。オバマが大統領である間に、ぜひ実現させたいことね」

 

はー、だよね、だよね。むくむくやる気が出てきました。世界中に仲間がいると思うと、ちょっとの壁くらいなんでもなくなるから不思議。給食の時間にできること、多すぎです!

 

・・・なんて思っていたら、フォーラム後、キルギスタンの方が「今度、JICAの協力で、キルギスタンの学校給食を改革することになっている。ぜひ、あなたの知見を担当者にインプットする打ち合わせを持ちたい」とか、

 

ラトビアでテレビに出るようなスターシェフが「来年また日本に行くんだ。自由学園と、君が携わったパーマカルチャー保育園にぜひ行きたいから案内してもらえないか」とか、

 

メキシコのパーマカルチャー母ちゃん(笑)が興奮気味に駆け寄ってきて「私も、あなたの意見にまるまる賛成よ!まさにいま、まずは保育園・幼稚園から改革しようと動き始めたところだったの」とか。

 

なんかもう、いただける出会いの波のポジティブなエネルギーにキリがなかったです。世界はきっと、変わっていく!!

 

というわけで、さっそく日本の給食改革のための作戦会議第1弾を、10/14(金)に、なんとあの<自由学園>にて行うことにしました。詳細は エディブル・スクールヤード・ジャパンのページより、週明けに発表します。仲間になってくださる方、ぜひ!参加してくださいね。

 

先住民の知恵

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My dear friend Emiko Ichinose, who did a wonderful interpreting job mainly at the indigenous people's gatherings at Terra Madre 2016, shared their wisdom. Please take a look at the movie of Indigenous Terra Madre 2015 - yes, the wisdom is all there. Let's learn more and put them into practice. Wish I can join them sometime in the near future. 

 

テッラマードレでは、元同僚で友人の恵美と毎晩のように飲み語り、その日一日、お互いが見聞きしたことを共有するのが楽しくて仕方がありませんでした。見るもの聞くもの食べるもの出会う人が多すぎて、すべてを網羅するのは絶対に無理だった会場で、「Diversity is beautiful / 多様な世界は美しい」と、お腹の底から共有できている元同僚から聞き知る情報は、まるで自分が2人いて会場を散策できていたような気持ちにさえなりました。(ありがとう恵美!)

 

今回彼女はIndigenous Terra Madre、通称「先住民ブース」に張り付きで通訳をしていました。世界中の先住民が集まり、どのようにネットワークして、どうやって外の人々とその知恵を共有していくのかというのを模索する場から、日々、恵美が切り取ってくる報告。ものすごく刺激的でした。

 

なかでも印象的だったのは、

 

「生物多様性が失われる危機を辛うじて守ってきたのが世界の先住民族。いま、世界の80%の多様な生物は、(全世界の人々が住む全面積のうち)先住民たちが生活圏としている20%に存在する」

 

という話。

 

伝統的な暮らしを営む人の文化と生活圏を守っていくことが、そのままこの地球の生物多様性の保護にもつながるというのは、もはやロマンチシズムではなくて、事実なのですね。

 

それと、先住民同士の間で、

 

「すべての人は、どこかの土地とつながっていた先住民。植民と開発を進めた人々も、元をたどれば先住民。先住民と外の人の間に壁を作らず、なるべく他との理解と協力を促して運動を広げましょう」

 

「企業はこれから先住民がもっている英知で富を得ようとするはず。今までも多国籍企業はそのようにして富を得てきた。彼らがこの英知を独占する前に、コモンズとして世界の人々と共有するのがいいのではないか」

 

「これから必ず、種をめぐって戦争がはじまろうとする。それだけは決して、許してはならない」

 

と語られたという話。

 

 

今年の様子を紹介する写真があまりないので、去年開催された先住民テッラマードレの映像、共有します。

 

https://www.youtube.com/watch?v=mjnp2NGpPmc

 

(インド北東の小さな州、メガラヤの首都シロンで開催されたそう。このあたりの先住民の村では、70%の食べ物を森から採集しているそう。訪れてみたいなー!)

 

この映像の中で、インドからの参加者が語った言葉が印象的でした。

 

 

時はきた
古代からの知恵をメインストリームに出していこう
観賞用のエキゾティシズムや神話としてではなくて
この知恵を皆で実践していこう

 

お金はかからない
私たちの皆の目の前に提供されているこの知恵と生きかたを
もうほんの少しだけ深く研究して
みんなで「さあやろう」と決めるだけ

 

 

さあやろう、と決めるだけ。

 

もちろん、暮らしのすべてを彼らと同じようには、私にはできない。でも、ほんの少しずつでも、自分の衣食住を、身の周りにあるつながりから手作りすることを取り戻しはじめることができたら。そのための知恵を、土地とつながって生きる人たちから学び直すことができたら、と思って、いまの活動をしている。

 

「昔に戻る=貧しく苦しい」という話じゃない。
「懐かしい未来を生きる=豊かで幸せ」という話。

 

 

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